大規模修繕工事のトラブルと対処法

こんにちは!定額制修繕サービス“メンパク”を全国に広げる株式会社メンパクパートナーズです。
定額制修繕サービス“メンパク”は、日本中の不動産オーナーの修繕に対する課題を解決する日本初のサービスです。大規模修繕領域のサービスではありますが、メンパクを通じて不動産オーナーのキャッシュフローを解決するサービスでもあります。
今回は、必ず抑えておきたい大規模修繕工事のトラブルと対処法」について解説したいと思います。

1.はじめに

マンションの大規模修繕工事は一般的に10~15年周期で行うことを推奨されていますが、ひとつのマンションの中にたくさんの世帯が存在しているので、入居者の生活にできるだけ悪影響を及ぼさないように配慮することがトラブルを回避することに繋がります。また、安全性をしっかり確保できる対策を講じてくれる施工業者を選定し、オーナー様と入居者ともに安心して修繕工事を終えるように準備しましょう。

2.大規模修繕工事とは

マンションの大規模修繕工事の対象になる部位は大きく分けて屋上・外壁・廊下・階段・バルコニー等の共有部分になります。こちらの詳細は、前回記事の「【基礎知識】不動産投資における大規模修繕とは」をご覧ください。

建物の劣化を未然に防ぎ、安全・安心に暮らせる居住空間を整えると同時に、建物の資産としての価値をできるだけ目減りさせないという役割も担っている大切な工事です。賃貸住宅マンションの場合、オーナー様が主導して管理会社や施工業者とやり取りをして大規模修繕工事を進めるわけですが、スムーズに修繕工事を開始し無事に完工させるためにも入居者への配慮を念頭に入れて修繕工事を計画しましょう。

2.大規模修繕工事の前に注意しておくべき金銭面の問題

大規模修繕工事には、経済的に多額の費用が発生することに加え、不動産を所有している以上は、いつか必ず実施するものです。そんないつか嫌でもしなければならない大規模修繕工事の金銭面についてまとめてみました。

2.1 修繕積立金の不足について

修繕積立金は毎月の賃収から諸経費を差し引いた手残りを積み立てていきます。大規模修繕工事の周期は一般的に10~15年毎に行われるので、計画的に修繕費を貯めていく必要があります。

いずれは必ず必要になる建物の修繕工事費用を長期的な計画の中に入れずにマンション経営を続けると、いざというときに修繕工事ができなくなり、果てには不動産経営を断念して物件を売却することになってしまう可能性もゼロではありません。

2.2 銀行借入時の返済計画

大規模修繕工事には、多額の費用が発生することから、銀行からの借入手続きが成功したとしても、返済がスタートします。修繕工事の返済金は税金の支払いも絡んでくるので当初のイメージよりも手元金が残らないということになりかねません。

事前に長期的な返済シミュレーションを重ねて「どれだけ手元にお金が残るのか」を考慮して修繕工事に踏み切りましょう。

3.大規模修繕の実施中に起こるトラブル

大規模修繕工事では騒音・振動・ほこり・臭いが必ず発生します。これらのリスクを軽減することはかなり難しいため、管理会社や施工会社の入居者への説明・対応が大切になってきます。

入居者への修繕工事のお知らせを事前に行うことは当然ですが、入居者からの問合せや疑問に対して真摯に向き合って入居者からのご理解とご協力をいただき、安心して修繕工事を完了できるように努めてもらいましょう。以下は実際に起こるトラブルをより具体的にご説明します。

3.1 工事の騒音・振動・ほこり

ついに大規模修繕が始まると工事の車両や作業員がたくさん出入りし、先ずマンションの外周に足場を設置することになるのですが、その際に必ず出るのが「騒音」です。足場を組み立てるのにハンマーを使うので朝から夕方まで「カーン!カーン!」という音が入居者の室内まで響き渡ります。

足場を設置した後はいよいよ補修作業をするのですが、ディスクサンダーやその他工具を使ってコンクリートを削ったりするので、騒音や振動に加えてほこりも発生します。工事期間中は廊下や階段などは生活の導線の一部なので入居者の方も使用せざるを得ないですが、バルコニーは洗濯物を干すことができなかったりバルコニーに立ち入ることができない日も発生します。作業員は入居者の暮らしの影響への負担を最小限にする施工を実施ことが求められますが、入居者の方々のご理解とご協力は必要不可欠です。

入居者とのトラブルを未然に回避するためにも、入居者と真摯に向き合って修繕工事の説明を行ってくれる管理会社と施工会社を選定するようにしましょう。

3.2 工事で発生するにおい

外壁塗装の際に必ず発生するのが、「塗料の臭い」です。大規模修繕の臭いトラブルのほとんどはこの塗料の臭いが原因と言っても過言ではないでしょう。

塗料は揮発性のシンナーを使用することが多く、塗装の際に日常生活ではあまり嗅がないような強い臭いが発生するので、室内にまで及んだ異臭によって入居者が不快に感じ、苦情に繋がります。また、シンナーは目眩や喉の痛みなどの様々な体調不良を起こす可能性があります。

現在では、できるだけ臭いが少ない塗料(有害物質が少ない水性塗料など)を使用するというのは修繕工事の際のマナーとなっていますが、100%臭いがない塗料というのは存在しませんし、全ての施工箇所に臭いが少ない塗料が適しているとは限りません。この塗料の臭いの問題は現代の技術では無くすことは実現できておりませんので、入居者への説明を丁寧に行い、より深く修繕工事の必要性と工事内容の理解をしていただき、協力してもらうほかありません。

修繕工事中の入居者からの問合せへの対応はもちろんですが、トラブル回避において最も重要なのは事前に「入居者の方々からの理解をしてもらっているか」です。

十分な修繕工事のお知らせを行い個々人の入居者にご協力(こまめな換気・マスクの使用など)を促し、臭いについてのトラブルは最低限に抑えましょう。

3.3 近隣住民への対応

どうしても大掛かりな工事になってしまう大規模修繕は近隣住民の方にも気になる関心事です。足場の設置から全箇所の工事の完了までに数ヶ月間も工事車両で作業員が出入りし、騒音や臭いやほこりも起こることなので、近隣の方々も多少なりともストレスを感じることでしょう。

事前に近隣の方々に工事のお知らせとご説明をすることはもちろんですが、工事についての問い合わせが入ったときは入居者の対応と同様に迅速かつ丁寧に対応できるようにしておきましょう。

3.4 空き巣

大規模修繕工事の期間中は非常にたくさんの人が出入りすることになり、足場も設置していることからバルコニー側の足場から侵入し空き巣が入ることもあります

施工会社も注意を払って対策をしますが、入居者に玄関や窓の施錠をしっかりと行うように事前に促しましょう。

3.5 工事器具による怪我や工事中の事故

修繕工事期間中は補修や塗装をするための様々な材料や機材が搬入されます。

作業中の場所には近づかないことは当然ですが、思いも寄らない事故が起こる可能性はあるので、特にお子様がいらっしゃる家庭の方々には十分に注意と説明を行うことが重要になります。普段目にすることにないようなものが目の前に広がっているとお子様たちは近づきたくなるものですから、こういった配慮を行うとより安全・安心な修繕工事に繋がります。

3.6 追加工事の発生

大規模修繕工事の点検と見積は地上から行うので、高層階の外壁の全てを確認するのは難しいため、足場を設置してから正確な計測を行って再計算することがあります。こういった場合に当初の見積よりも金額が増減するという見積方法をとっている会社もありますので、事前の建物診断と見積条件の確認はしっかり行っておきましょう。

4.大規模修繕後に起こるトラブル

大規模修繕工事は、期間も長くなり、普段では出入りがない場所に、工事業者が工事期間中出入りするため、往々にしてトラブル発生の元となります。そのトラブルの中でも、よく見受けられるトラブルを紹介します。

4.1 塗料や材料の仕上りイメージの違い

大規模修繕において、外壁や鉄部の塗装後にイメージしていた色とは違ったということは起こりやすいトラブルのひとつです。

実際に塗料のサンプルをチェックしていたとしても、塗装した箇所を見るとサンプルよりも明るいトーンに見えることがありますので、サンプルの確認は蛍光灯の下ではなく屋外の日光の下で確認し、サンプルと実際の仕上りは若干異なることを含めて色の決定を行いましょう。

また、タイルの張り替えの場合は全く同じタイルが見つかることはほぼ無いので、既存タイルと張り替えたタイルとの違いには寛容にならざるを得ません。できるだけ既存のタイルに近いタイルでの張り替えを希望する場合は近似のタイルを作成してもらう方法もありますが、オーダー発注になりますので、金額は上がります。

外壁の塗替えやタイルの張り替えに関して最も低価格で修繕できるのは、多く使用されているグレー系・白系・アイボリー系などの色の塗料や既存タイルに近しい既成のタイルを使用することですので、施工会社としっかり打合せを重ねて決定しましょう。

4.2 修繕後の不具合の再発

大規模修繕工事が無事終わった後に劣化箇所の補修が十分にできておらず、劣化症状が再発することがあります。

施工完了時は見た目にもきれいに仕上がっていたとしても適切な補修・修繕が行われていなかったり、補修が必要であった箇所は立地条件や建物の躯体条件によって劣化しやすい部分なので、思っていたよりも早く症状の再発が確認できる場合もあります。ほとんどの施工会社の修繕工事は長期の保証期間が設けられていませんので、数年後に再発してしまうと追加の補修・修繕工事は当然オーナー様の負担になってしまいます。

また、工事後の漏水については、瑕疵担保責任という制度が存在しますが、あくまでも工事において瑕疵があると判明しなければ保証対象にならないという契約が一般的ですので、特に重点的に契約書の確認を行う必要性があります。

大規模修繕の内容の事前確認と完工の確認は念入りに行い、施工後の保証についても抜かり無く確認しましょう。

5.まとめ:トラブルが起こりにくい修繕工事とは

ここまで、大規模修繕工事のトラブルと対処法についてご説明差し上げましたが、どれも100%回避することは難しいことばかりです。

オーナー様と入居者にとって安心して施工を任せられるような施工会社の選定はもちろん大切なことではありますが、既存の大規模修繕の工事内容のシステムではどうしてもオーナー様と入居者にとっての負担とリスクが大きいように感じられます。入居者への負担が大きくなり過度なストレスがかかると修繕工事へのクレームにもつながりかねませんし、修繕工事の追加工事が出てしまうと費用面でもオーナー様のキャッシュフローを圧迫します。

そこで、工事期間を短縮できる上に契約期間内の追加工事費用がかからない弊社の計画的修繕「メンパク」をおすすめ致します。屋上・外壁や共用部の補修・修繕工事を各部位の劣化状況に応じて15年間の修繕計画を作成し、計画に沿って柔軟な施工を行っていきますので、それぞれの修繕工事期間が短縮され入居者への負担が軽減されます。

また、「メンパク」であれば、補修・修繕に加えて「継続したメンテナンス」も行い建物の状態を高い水準で維持できることに加えて、契約期間内であれば補修・修繕後の劣化症状の再発が万が一起こったとしても無償で再修繕致しますので、追加工事費用は「0円です。」※自然災害による被害は除く


株式会社メンパクパートナーズでは、マンションの補修・修繕工事にまとまった手元資金がほとんどかからない「手元資金がどんどん貯まる」月額制の計画修繕サービス「メンパク」を提供しています。ご相談はもちろん無料ですので、お気軽にご相談下さい

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