【基礎知識】不動産投資における大規模修繕とは

大規模修繕知識 | 【基礎知識】不動産投資における大規模修繕とは

こんにちは!定額制修繕サービス“メンパク”を全国に広げる株式会社メンパクパートナーズです。 定額制修繕サービス“メンパク”は、日本中の不動産オーナーの修繕に対する課題を解決する日本初のサービスです。大規模修繕領域のサービスではありますが、メンパクを通じて不動産オーナーのキャッシュフローを解決するサービスでもあります。

今回は、理解しているようで理解していない「大規模修繕とは」について解説したいと思います。

1.そもそも大規模修繕とは

不動産における大規模修繕とはなにか、その定義は実は「建築基準法」の中で定義されていることをご存知でしょうか?

大規模修繕知識 | そもそも大規模修繕とは

建築基準法における大規模修繕の定義

つまり、建築物の主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根、階段)の内、1箇所の半分以上修繕をするだけで、建築基準法の定義に当てはまるということです。一般的に、大規模修繕というと外壁に足場をかけたり、屋上防水を全面修繕したりと、建物躯体全体をするイメージが強いものではありますが、法律上の定義は以外と範囲が少なかったりします。ただ、今日における大規模修繕とは、経年劣化にあわせて実施する計画的で集中した修繕工事のことを意味することが多く、建築基準法に沿って工事自体は行うものの、定義自体は概念として古くなっている状況です。

また、大規模修繕工事には、「塗装・防水」以外にも、「給排水管工事」や「設備リニューアル」なども含まれて、称されることも多く、様々な業者が「大規模修繕工事」という概念で称されていますが、実態として工事内容が大きく異なることも往々にして存在するため、注意が必要です。

2.大規模修繕の周期とは

大規模修繕とは、でよくある疑問として大規模修繕は、いつどのタイミングで実施すればいいんだろうと疑問に思うことがあると思います。実際問題、不動産領域の企業群(管理会社、修繕会社、業界団体や国土交通省)でも、意見が分かれることが多いですが、一般論として12年周期とされることが多いです。12年周期が一般的になったことは、建築基準法で竣工後10年を経過した外壁がタイル張りのマンションは、3年以内に全面打診調査を行う必要性があると定められていることが関係あるとされています。

大規模修繕知識 | 大規模修繕の周期とは
平成20 年3月 20 日 国土交通省告示第 282 号

この告示により、10年経過するごとに3年以内に打診検査(つまり13年周期)に、全面打診検査をする必要性が明確化されたために、調査をするタイミングで他箇所も合わせて大規模修繕工事を実施するようになったことが背景とされています。
また、国土交通省が発行している「長期修繕計画作成ガイドライン」にも、12年周期の設定で調査・診断の結果等に基づいて設定となっており、国土交通省が明確に「12年周期」で実施するようにと直接的に指導しているわけではありませんが、各関係業者が「国土交通省が12年周期を推奨している」ように言っていると一般論となりました。

大規模修繕知識 | 長期修繕計画作成ガイドライン

平成20年6月 国土交通省長期修繕計画作成ガイドライン

しかし、実際問題として、大規模修繕には分譲・賃貸問わず、修繕費の不足により、計画的修繕が実施されていないことが多く、特に賃貸物件に関しては、「修繕積立金」という名称があるものの分譲物件と異なり修繕費として、経費計上出来ないため、深刻な問題になりつつあります。修繕積立金が不足することが分かっていることから、2017年頃から野村不動産や東急コミュニティーでは「18年周期」に新築分譲物件等は、既に移行しており徐々に「12年周期」の呪縛から実体に基づいた計画が見直しされつつありますが、賃貸物件では長期修繕計画等を予め立てていないことが多いため、専門業者に修繕計画は前もって、予定することが重要です。

3.大規模修繕を実施する理由とは

当社でも、同業でも話題になることがありますが、なぜ「大規模修繕をしなければらならないのか?」という不動産オーナーからの率直な疑問には、回答が難しいことがあります。それは、大規模修繕をしていなくても、現状漏水をしていない物件だけを保有している方には、理解し難い費用と工数が発生するからです。ただ、大規模修繕をする最大の理由は、「不動産にも寿命があるから」です。少しハンマーで叩いたり、ドリルで穴を開けたりしても、ビクともしない頑丈な造りではありますが、雨風や紫外線の影響を必ず受けることから、年月に一定比例して経年劣化が進んでしまうことを避けることが出来ません。

大規模修繕知識 | 大規模修繕を実施する理由とは

こうした経年劣化による影響をできるだけ抑え、建物を長期間安全に保有するためには、定期的にメンテナンスをする必要不可欠で、人間に例えても病院も健康診断も受けずに、病気になってから治そうとしても難しい即県があります。そんな大規模修繕工事の中で、最も大切なのはコンクリート内部の劣化を止めることです。コンクリートの内部には、RC造であれば鉄筋が存在し、鉄筋が錆びることにより建物が劣化していく、爆裂などの現象を引き起こします。躯体状態が良ければ、鉄筋が空気に外部から少しずつ振れるだけゆっくりと変化がすすんでいきますが、建物の経年劣化により、水や空気が内部に侵入し、錆びることにより、加速度的に劣化が進んでしまいます。従って、内部に至る甚大な劣化を予防するためには、劣化が軽度のうちに発見し、早めにメンテナンスをすることで、費用感から工期まで圧縮することが可能となります。


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