こんにちは!定額制修繕サービス“メンパク”を全国に広げる株式会社メンパクパートナーズです。
定額制修繕サービス“メンパク”は、日本中の不動産オーナーの修繕に対する課題を解決する日本初のサービスです。大規模修繕領域のサービスではありますが、メンパクを通じて不動産オーナーのキャッシュフローを解決するサービスでもあります。
今回は、「マンション共用部の不具合と劣化の種類」について解説したいと思います。
1.はじめに
マンションを安心・安全に保つことで入居者様の暮らしを支え、長期的にマンションの資産価値を保っていくために、経年劣化から生じる躯体の不具合や劣化を防ぐ補修・修繕工事は必要不可欠なものです。
大規模修繕で行う共用部の修繕工事は屋上・屋根・外壁・廊下(通路)・各種鉄部・土間・排水口・バルコニーなど多岐にわたり、所有されているマンションの各部位の「どういう状態であれば修繕工事が必要なのか」を各部位ごとに不具合や劣化の種類を紹介します。
2.マンション共用部の修繕工事が必要な部位
マンションの共用部に各部位毎に、必要な修繕工事が存在します。各部位ごとに注意すべき点と修繕方法も異なっています。
2.1 マンション修繕工事 | 屋上・屋根
屋上(または陸屋根)と屋根(勾配が付いているもの)は太陽光と雨水が直接降り注ぐ箇所で、直下には入居者様の居室があるので修繕・メンテナンスを怠ると甚大な漏水が起こり、修繕工事費用も多額になるので事前の防水・メンテナンスが重要になってくる部位です。
2.2 マンション修繕工事 | 外壁
鉄筋コンクリート造の外壁の構造を簡単に説明すると、鉄筋が入っている躯体のコンクリートの外側をモルタルで覆い、さらにその上から塗装を施して雨水の侵入を防いでいます。モルタル表面の塗装は雨水の侵入を防ぎモルタルの劣化を防止し、モルタルの劣化を防止することで、躯体の鉄筋コンクリートの劣化や錆を防いでいます。修繕工事をせずに放置し経年劣化が進むと塗装の防水機能が無くなり、モルタルに雨水と外気が侵入することでクラック(ひび割れ)が出来、さらに進行すると躯体の鉄筋コンクリートまでにクラックが入ることで、内部の鉄筋が錆びてマンションの躯体の劣化が進みます。最悪の場合、躯体コンクリートがむき出しになり、コンクリートが崩れ落ちることになります。
また、タイルの外壁もモルタル外壁と同様、鉄筋コンクリートの外側にモルタルでタイルを貼り合わせています。タイルがひび割れたり剥落すると当然躯体コンクリート内部に雨水が侵入しモルタル外壁と同様に内部の鉄筋コンクリートの劣化が進行しマンションの耐久性を下げる要因になります。
2.3 マンション修繕工事 | 各種鉄部(屋上・廊下・階段・バルコニー)
鉄部の不具合や劣化で代表的なものは「錆(サビ)」です。錆は鉄部に雨水や空気中の水分が反応し酸化することで生まれます。
通常、鉄部には塗装が施されており、水分と外気から保護されていますが、5年前後ほどで塗料の防水機能も無くなり、いずれは塗膜が剥がれ、徐々に酸化が始まり錆が出て鉄部は腐食していきます。こまめなメンテナンスを続けていけば鉄部は長年使用できるものですが、メンテナンス・塗装による修繕を怠ることで腐食がひどい状態になると、鉄部を新しいものに交換することになってしまい、多額の費用が発生する事態に陥ってしまいます。特に階段の全てが鉄でできている鉄階段や通路の腰壁の手すりが腐食・崩壊し入居者が怪我をしてしまうと補償問題に発展するので、注意が必要です。
2.4 マンション修繕工事 | 廊下・階段の床と排水溝
廊下や階段の床を見るとクラック(ひび割れ)が入っていたり、白い染みのようなもの(エフロレッセンス)が浮いていたりしているのを見かけたことはないでしょうか?クラックから雨水や外気の水分が通路の床のコンクリートに侵入しコンクリートのアルカリ性を中和することで生まれるエフロレッセンスはコンクリートの劣化のサインです。
コンクリートの劣化が進むと階下の天井への漏水が起こり、鉄筋が錆びて内部から膨張しコンクリート部分が崩落してくることも有ります。廊下や階段は入居者様が頻繁に使用される箇所ですので、こういった劣化からの事故は非常に危険です。
雨水が流れる排水口は防水塗料で防水し、床はウレタン防水を行うか塩化ビニール製の長尺シートを貼ったり防水塗装をし劣化を防ぐ必要があります。また、入居者様が日常的に目にする部分ですので、見た目にも綺麗にしておくことは入居者様の定着にも繋がる可能性が有りますのでおすすめです。
3.各部位の不具合と劣化の種類
マンションの共用部に各部位毎に、劣化をしている兆候が出るケースがほとんどです。ここでは一般的な劣化が見受けられるケースを紹介したいと思います。
3.1 マンション劣化兆候 | 屋上防水の異常(割れ、亀裂、防水シートの剥離等)
屋上は日中は太陽光の紫外線に晒され、雨水を一身に受ける部位になりますので、他の部位と比べて劣化が進行しやすい箇所です。陸屋根については傾斜がほとんど無いので水が溜まりやすく定期的なメンテナンスが必要となります。床には防水の為のシートが敷き詰められていることが多く、経年劣化で防水シートの剥がれ・損傷が発生し床面のクラックから浸水し躯体コンクリートの劣化に繋がります。
3.2 マンション劣化兆候 | 躯体コンクリートのクラック
躯体コンクリートにクラックができる原因としては地震によって外壁が振動することによってできることが考えられます。0.3㎜以下の幅のクラックはヘア(髪の毛のような)クラックと言い、またそれ以上はクラックと言われます。
地震によって大きなクラックが入ることは頻繁に起こることではないですが、小さなクラックが出来た箇所から雨水が入り込み、コンクリートの伸縮・膨張が繰り返されてクラックが徐々に大きくなり、コンクリート内部の劣化が進んでいきます。このクラックの発生個所は外壁はもちろん屋上や廊下や階段の床面、廊下・階段の排水溝によく見られます。
3.3 マンション劣化兆候 | タイルの剥落・落下
タイル自体は非常に防水性が高いものなので、タイルに塗装をしたりといった修繕工事はほとんど必要ないのですが、タイルとその下地にあるモルタルと躯体コンクリートが経年変化によってそれぞれ違う比率の伸縮と膨張を繰り返すので、経年変化でタイルの浮き・剥がれ・割れを引き起こします。
タイルが剥落すると、その部分に雨水が侵入しモルタルと躯体コンクリートの劣化を早めることになり、剥落したタイルが入居者様や通行人の方に衝突するようなことがあれば大変な損害賠償を支払わなければいけないことになります。過去にも全国でタイルの剥落による死傷事故が起こっていることから、「タイル外壁の全面的な打診検査を10年毎に行うこと」が建築基準法における定期報告制度で持ち主・管理者に義務付けられていますので、過去の検査を見返してメンテナンス計画を立てていきましょう。
3.4 マンション劣化兆候 | チョーキング現象
塗装の塗膜は経年変化により太陽光の熱と紫外線、雨と風により劣化し、塗膜の表面を指でこするとチョークの粉が付いたようになります。これを「チョーキング現象」と言い、塗膜の防水機能がなくなっている状態です。
チョーキング現象が起こるまでの年数は塗料のグレード(アクリル系・ウレタン系・シリコン系・フッ素系・光触媒など)や塗装工事の品質によるので、チョーキング現象が起こるまでの年数は一概に特定することはむずかしいかと思います。チョーキング現象が起こっているということは、塗装の防水機能が低下し雨水が塗装の内部に浸透している可能性が有り、当然放置し続けると内部の躯体コンクリートや鉄部の劣化を招きます。このチェック方法はプロでなくとも簡単にチェックできますので、所有物件に立ち寄った際はチェックしてみることをおすすめします。
3.5 マンション劣化兆候 | 外壁のシーリングの劣化
モルタル壁・タイル壁・各種パネル・サイディングボード、それぞれ壁の種類は違えど外壁と外壁の間の隙間やサッシの周りにシーリング材が使用されており、隙間から雨水が内部に侵入しないようになっています。このシーリング材も塗料と同様に太陽光や風雨によって5~6年程度で硬化・劣化し、剥離やひび割れが起こります。
特にサイディングの外壁であれば、剥離やひび割れが起こると目地の内部にあるボンドブレーカー(青色のフィルムテープのようなもの)やバックアップ材(一般的に白色)が露出しますので、こちらも目視だけで判断できます。
シーリング材が剥離すると急速に内部へ雨水が侵入することになるので、シーリング材が硬化し剥離する前に点検を行い、打替えを行うことを推奨します。
5.まとめ
マンションの大規模修繕に関わる各部位の不具合と劣化についてご説明しましたが、所有されている物件で思い当たる箇所はございましたでしょうか?定期的な巡回・点検を実施されていないオーナー様はこの記事を読まれた機会に所有物件に立ち寄って現在の状態を確認されてみてはいかがでしょう?
また、所有物件に立ち寄る時間が取れない・プロに診断を頼みたいという方は、ぜひ一度、手元資金がどんどんたまる日本初の計画修繕「メンパク」の正式パートナーである株式会社メンパクパートナーズまでご相談ください
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